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平成23年度 ブロック別研修会 総まとめ

「薬局・薬剤師の緊急災害時対策}
〜あなたの薬局は防災対策ありますか〜

平成23年3月11日。東北地方を襲った予期せぬ大地震と大津波。我々日本人は皆ショックを受け、その残した爪痕はいまだに残っています。
幸いにして、久留米三井地区においては昨今ほとんど自然災害もなく、会員薬局では平常通りの薬局業務を続けることができています。
しかし、いつ未曾有の災害がやってくるのかは予想もつきません。
わが身に災害がふりかかった時に、自分たちの薬局を守るにはどうすればいいのか? 患者さんを守っていくには?薬の供給は?
予め災害対策として準備すべきことはどんなことだろうか?薬剤師会が果たすべき役割はなんであろうか? 考えるべきことは数多くあります。

そこで今回は学術研修委員会が企画し、全会員参加型のKJ法によるSGDを採用し、ブロック別に会員の皆さんに災害対策について討論してもらいました。

日程は下記の通りに行いました。

日 時 ボランティア報告 事前説明 司 会
  Aブロック   H23.9/6 (火) 満安常務 杉岡委員 杉本常務
  Bブロック   H23.8/30(火) 中井会長 今村委員 渡邉委員
  Cブロック   H23.8/24(水) 園田理事 白木常務 江頭理事
  Dブロック   H23.8/23(火) 青木常務 吉永理事 原委員

ブロック単位の事前案内で参加者に対して災害時問題点提起のアナウンスもしていたこと、またテーマが全参加者に直接関係する事で取り組みやすいテーマだったこともあり、初めてKJ法に参加した方でも活発な意見が交わされ、スムーズな進行ができました。
全員で話し合うことにより各薬局の今後の災害時のマニュアル作成の足がかりになり、近隣薬局との交流の場にもなり、今後の研修の在り方も、このような参加型を取り入れていく事が求められるのではないかと感じました。


各ブロックのSGDの様子はコチラです。


各ブロックによる研修の結果をブロック代表者により総括しました。
コチラからご覧ください。(AブロックBブロックCブロックDブロック)PDFファイル

全ブロックの意見を総合的に下記の表にまとめました。

黒色表示しているのは、各薬局、個人で行うべき対策です。
赤色表示しているのは、薬剤師会が今後災害時に備えて行うべき事項であり、今後は会員の意向を踏まえ、
積極的に対応していきたいと考えております。



総括

停電・断水 <電源確保> ・バッテリー、自家発電を準備しておく(ハイブリッド車は発電機並みでレセコンが動く)
・乾電池の常備
<レセコン> ・手計算できるように保険点数を把握しておく(自薬局の在庫表を印刷しておき薬価がわかるようにしておく)
・会計は後日として、薬の受取証明書等を利用し対応する
・患者の薬が不明→お薬手帳の啓発活動。患者の携帯に薬の写真を残す。
             紙媒体での薬歴の保管。レセコンのバックアップ復元方法の確認
<分包機・電子天秤> ・チャック付きパック袋や薬包紙を常備し手包みができること
・0.1g単位で計れる料理用電池式スケールを常備したり、薬匙すり切り1杯の散剤が各薬剤ごとに何gなのか
 予め計量しておく
 →電気を必要としない調剤方法を各薬局で確立しておく
<冷蔵庫> ・保冷品のためにクーラーBOXや冷凍庫に保冷剤確保→当面の1日の冷保管確保
<水不足> ・精製水の常備
・ウォーターサーバーの設置(保冷はできないが給水できる)
・衛生管理の為のビニール手袋の常備
<浸水> ・土嚢の用意(水を吸うと膨らむタイプ等)
・PC本体やプリンター等を床から少し上げた状態で設置
<照明> ・防水懐中電灯を常備
・アロマキャンドル等を活用し、患者の不快感を軽減する
物流麻痺 卸売業者の供給体制の確認
・災害時対応として、薬剤師会⇔行政⇔卸と連携を組み買い占めや保険問題・処方日数制限など流通を確保する
・薬剤師会で、災害時は感染症薬等備蓄をする
薬剤師会から会員薬局へ薬剤の流通情報提供を迅速に行う
・他薬局との繋がりを平常時から持ち、定期的に薬局間で在庫情報を共有する(ブロック別研修会の充実)
・処方箋・緊急時薬袋・消火器などの備品を常備
人材不足
通信麻痺
緊急時は拠点薬局を定め、薬剤師会主導で人員振り分けを行う
・社員、近隣薬局との連絡網を作成し、常に薬剤師やスタッフが連絡を取り合える体制を確立する。
災害時には薬局の開局情報を薬剤師会が把握し、情報提供する
・スマートフォンや携帯のアプリを活用し、安否確認ができるようにしておく
・患者保護の観点より、災害弱者(独居、歩行困難など)を把握しておく
・防災用ラジオの常備
職能 ・知識の習得→AED操作、感染症対策、OTCの活用、消毒剤、トリアージ
          (研修会の充実、ポートフォリオの活用)
メディアを利用した広報活動の強化
・個人の薬剤師登録番号を把握しておく(手帳やメモに残しておく)
薬剤師の身分を証明できる体制を整える
その他 災害時の法的対応(処方箋の統一、保険の取り扱い、支払方法等)迅速に対応
他職種連携の強化